スペインお家騒動 by いっこさん
デ杯SF開催地を発端に、スペインテニス界が騒ぎになっているそうです。「今週の大会(ローマ)」のコメント欄にいっこさんが何度か詳細を書いてくれていたのですが、なかなか過激な話で面白そうだったので、内容をまとめていただき、記事としてアップさせていただきました。いっこさん、ありがとう。m(__)m
混乱を増すスペイン・バモたちとテニス協会会長の闘い by いっこさん
事の起こりは、マスターズ・ローマ大会真最中の5月6日(火)。ラファが初戦で敗退する前日。突然デ杯キャプテンのエミリオ・サンチェスが会場に現れ、大会に参加していた全スペイン人選手を召集して、「ムニョス(スペインテニス協会)会長が我々の要望を無視して会場をマドリッドにするつもりだ」と通告。どうやら候補地がデ杯に出資する金額を重んじたらしい。
先月ブレーメンで、デ杯QFの対ドイツ戦2日目、ダブルスで感動の勝利を挙げSF進出を決めたスペイン・バモの面々。このスペインテニス協会の会長は喜んで、「SFは君たちがいいという場所でやろう」と、まだアメリカの勝利が決まっておらず、スペインでSFをやることがはっきりしていないうちから彼らに言ったそうだ。
しかし、問題はこの一事ではなかった。この会長が就任以来、今日まで明るみに出たもの、出なかったものを含め、無数の「やりたい放題」をやって関係者を振り回して来たことに対する怒りが、このデ杯開催地決定を潮に一気に噴出した形だ。
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まず、ローマ大会のコメント欄に書き込んだものです:
『エミリオ怒る:ラファやダビ(フェレール)の肉体的・精神的疲労に追い討ちをかけたと思われる、夕べの「デ杯お家騒動」
Rafafaさんやnannanさんがコメントに書いておられるように、昨日からデ杯準決勝開催地に関するお家騒動が持ち上がっています。
夕べのニュースで、フェル(ベルダスコ)が「びっくりしたんだ・・・会場にエミリオがいるじゃないか。人違いかと思ってまじまじ見てたら『僕だよ』と言う。そして、夜ちょっと集まってくれと言うんだ。」と言っているところが出てました。
昨日、私がよくアクセスするelmundodeportivoに、9日の開催地決定会議でMadrid(海抜600m)が選ばれそうという記事があり、Rafafaさんがおっしゃるとおり、エミリオは「海面と同レベルの場所にしてくれと言う選手団の要求が考慮されないなら、辞職もありうる」と言ったそうです。
前にもどこかの高地で大会があった時に、「ボールがよく跳ねる、球足が速くなる」といった記事を読んだことがありますが、そういう条件はスペイン人選手の特性からいうと不利になるということ。それ以外に、空気が乾燥しているためクレーが乾くと思われ、これもハードの条件に近くなる理由と思われます。世界のトップレベルの選手たちであれば、紙一重の実力差であり、こういう素人から見たら些細と思われる条件が、勝敗に影響することがあるんでしょうね。
そして、夕べは夜中の2時過ぎまでエミリオと選手たちの会議が続けられ、エミリオと8人の選手たちの署名がある声明書を発表しました。ソースは、スペイン語ですが・・・
Explotan elmundodeportivo
かいつまんで内容を紹介すると:
「下部に署名した国家代表団のメンバーは、スペインテニス協会現会長ペドロ・ムニョス氏自身、および彼の就任当初から、種々の決定において我々を欺き続けた、その運営方法に対する不満と不同意を公にする」
というかなり過激な発言から始まっていますが(積もり積もった不満で堪忍袋の緒が切れていたらしい)、デ杯準決勝の場所を選手たちとの合意をもって決めるとブレーメンで約束したのを無視したらしいです。
「ライバルに有利にならないように我々が予め指定した条件を擁護し、賛成するという約束を守らなかったことで、我々選手とキャプテンはまたも騙された。」「また、最初から他の場所を選ぶつもりがなかったということで、挙げられた候補地をも欺いたことになると考える。」
他にベニドルム、ヒホン、テネリフェが挙がっているそうです。
「会長の解任や会長職の辞任のような具体的な行動を要求するのは我々の役割ではないが、スペインの世論、我々がその代表者としてプレーすることを名誉に思っているスペインテニス界の各協会や、それを支える後援者たちに、ムニョス氏の独裁的な、我儘な、そして欺瞞に満ちたやり方を知らせることが、我々の意図するところである。」
「我々の唯一の目標は、できる限り好適な条件で、ありうる限りのギャランティーをもってスペインを代表することであり、ムニョス氏のそのやり方は容認できない。我々選手が実際に戦う者であって、国の名誉を守るために出場するのであり、採用された決定に最も被害を受ける者であると考える。」
そして締めくくりに、
「このスペインテニス協会会長のやり方を全面的に拒否し、ムニョス氏が会長であるうちは、ここに署名している代表選手の、スペインテニス協会やその後援者のあらゆる公的または広告的な行事に参加しない」
と結ばれているそうです。
署名者は、キャプテンのエミリオ・サンチェス-ビカリオ以下、ラファエル・ナダル、ダビッド・フェレール、カルロス・モヤ、トミー・ロブレド、ニコラス・アルマグロ、フアン・カルロス・フェレロ、フェルナンド・ベルダスコ、フェリシアノ・ロペスの合計9人。
この会長を知らない人には、かなり過激な個人攻撃と思われるかもしれませんが、みな積年の軋轢があるようです。
この会長が前のキャプテン、ジョルディ・アレッセを解任したとき、よく知らないけど、選手たちと何かを(多分プレイ・オフでワールドグループに残れたら、だったような)約束したのに、それを破って解任したということで、ラファは相当怒ったそうです。
また、前に書きましたが、マドリッド大会に、高い金を払ってテニスしたこともないモデルをボールパーソンに起用したのも彼の一存だったという話も聞きました。あれをはじめ、マドリッド大会はひどくショー化してしまって、私は行きたいと思いません。ああいうのが好きな人もいるんだろうけど...。
ともかく、はっきり言って、何らかの見返りのために(自分の都合で)、最も尊重すべき実際にプレーする選手の意向を無視してもマドリッドに持って行こうとしているとしか思えない人なんですね。 』
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この話題で現在スペインのテニス界は沸騰しており、次々と新たな事実が暴露されました。上に述べた公開書状の発表後、数人の関係者の携帯電話に会長からSMSが送られ、その幾つかがそのままインターネットで公表されました。短ければ訳そうと思ったけど、結構膨大な量で、その上はっきり言ってよく意味が分からない文章も多いので(モヤが「もうちょっと綴り間違いを少なくしてくれないと意味が解からん」と返信する部分もあり笑える)手に余ります(笑)。自慢したり、脅したり、嘲笑したり...が内容の殆ど。
大部分がモヤとのやり取りですが、その中で、明らかに彼を侮辱し、脅迫的・挑発的な口調で今回の行動を非難しています。その書き方たるやゴロツキみたいで、ともかく「会長」という職に就いている、教養ある(はずの)紳士(であるはず)とはとても思えません。
会長は元々モヤと不仲だったようです。昨日nannanさんの方に、あるレポート記事をアップしてもらおうと思って訳して送ったのですが、長い上、雑だったので結局アップはやめてもらいましたが、その中のモヤとの対立に関する部分:
「...モヤの会長との個人的な対立の歴史も長い。信頼できる筋によれば、ムニョスは、ランキングの順位で北京オリンピックの4つの出場枠の一つをモヤが獲得したとしても、この元世界一の選手を拒否しようとしているという。動機:デ杯の重要なスポンサーであるMapfreのイベントを欠席した。」
それ以外に、バルセロナ大会の期間中にも、「デ杯の開催地はキミたちが希望するところにしよう」と10回も言うので、ラファがうんざりして、「もうやめてくれ、信用するから。その代わり、もし自分が好きなようにするのなら、もう放っておいてくれ」と言ったという一幕。そのくせ、手のひらを返して、自分の都合でマドリッドに決めようとして、「マドリッドでやらないならギャラは払わんよ」と脅迫したらしいです。
Coacción vía SMS
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そして、今朝新たな公開書状が選手たちからスペインの地域テニス協会に宛てて出されました。その内容は次のとおり:
管区協会会長殿
スペインテニス協会理事会員各位殿
スペインテニス協会執行委員会各位殿
ハンブルグ、マドリッド、ムルシア及びビエナから、2008年5月14日
まず最初に、ここ1週間に起こってきた事態に対する私共の悲痛と憂慮を明かしたい。この争議によって最も損害を受けるのはスペインのテニスであると思うので、この事態に対して全員がその解決に立ち上がらねばならない。
世界でスペインを代表している私たちプロ選手は、このスポーツに於いて、個別の競技会を超えた責任があると考えている。プロテニスは、個人レベルでもチームとしても、この20年間にスペインのスポーツ界に最も多くの栄冠をもたらしてきたスポーツであり、従って、自分達に直接関与してくる場合は尚更のこと、スポーツ政策に関する問題について発言する権利があると思う。
会長及び彼のグループのメンバーと持った幾つかの会合のあとで、問題に対して何の解決も得られないことがわかったため、先週の公開書状によってスペインの世論及びあなた方に対し、スペインテニス協会現会長であるペドロ・ムニョス氏に対する私たちの不快と不同意を示したく思った。その問題は、来る9月に行われるデビスカップ・ワールドグループ準決勝の勝抜き戦開催地の選択ではないということをはっきりしておきたかったのだ。それは問題ではなかったし、今も問題ではないのであって、ここでもう一度、私たちが競技を行い、スペイン(の名誉)を防御するという約束を繰り返し、このスポーツに対して常に模範的であったマドリッドという町で勝つために、これまで以上に全力を尽くすことを確信して頂きたい。私たちはマドリッドをスペインの全ての他の町と同じに思っている。
争議の中心は、ムニョス氏及び彼が取る措置に私たちが同意できないということだ。今は、先週引き起こされた議論に続いて彼が取った一連の行動のあとで、これまで以上の不同意を示すものである。幾人かの選手に送られた一連のメッセージ(添付ドキュメント)こそ、模範的でなければならない協会会長の流儀とやり方の証明である。私たち選手は欺かれ続け、現在、それにスペインテニスの成功の要石であった/である、このグループの特定の構成員たちへの追及と脅迫が加わった。
私たちが陥っている状況は悪くなっており、選手である我々は、シーズン只中で戦っており、最も悪影響を受ける立場にある。
会長職の辞任などの具体的な行動は私たちの役目ではないということをはっきりしておくが、ムニョス氏が会長である間は、スペインテニス協会会長側の我々の代理権の全面的な拒否を再確認し、スペインテニス協会およびその後援者の如何なる公的または広報的な行事にも参加しない姿勢を維持する。
敬具
ラファエル・ナダル、ダビッド・フェレール、カルロス・モヤ、トミー・ロブレド、ニコラス・アルマグロ、フアン・カルロス・フェレロ、フェルナンド・ベルダスコ及びフェリシアノ・ロペス
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一方、当の会長から何らかの反応があったというニュースはありません(裏で選手やコーチにSMSを送って脅しているけど)。だんまりを決め込んで嵐が過ぎるのを待つ戦法なのか?
それにしても、彼を選んだ人たち、理事の連中などはいったい何考えてるんだろう??
(追記 by nannan そりゃ、みんなおこぼれに預かってるんでしょ~~(^_^;)
いっこさんからの追加情報で、協会から「かなり強硬なお返事」が来たそうです。この騒動、まだまだ続きそう・・・)




コメント
いっこさん、nannanさん、ありがとう。
クレーコートシーズン真っ最中に、スペインの選手たちは何で自分たちを代表する立場の人から、妨害を受けなければならないのでしょう?
スペインテニス協会の上の組織って、ないのかな?
マスコミや国民などはどう反応しているのかしら?
この会長は、同じ土俵で議論が不可能な人だと思うので、まともに相手しても無駄でしょう。悲しいけれど、これはパワハラだと思うから。
のびた at 2008年5月17日 22:01 | 返信
今日のRafaの勝利を誰かと分かち合いたくていっこさんにメールしたら即レスでこちらの記事のことを教えていただきました。nannanさん、いっこさんありがとうございます。
横暴ですねぇ~。こんな中で頑張っている選手を思うと、私も負けていられないと思えてきます。(アカハラに負けそうなんです。)
頑張れ、バモ達!!!
HRK at 2008年5月18日 02:48 | 返信
>のびたさん
ハンブルグでは毎日選手たちが集まって会議をしていたそうです。段々減って行って、今やラファだけなので、もうしてないだろうけど(笑)。
明日の試合のことに全精力を傾けねばならないはずの選手たちなのに…かわいそうに。
スペインの人たちの反応は:
http://www.elmundo.es/elmundodeporte/debate/2008/05/2044/prevotaciones2044.html
勿論私も「会長は辞めるすべき」に投票しました(笑)。その時2800人ぐらいだったけど、さっき開けたら3800になっていましたが、全く同じ95%でした。
さて、また新しい動きがあったので、さっきnannanさんの方に原稿を送付しました。お楽しみに(^^)♪
いっこ at 2008年5月18日 08:32 | 返信
ふふ、スペイン語も分からないのに「辞めるべき」に投票してきました♪
早くやめろ~
いっこさん、続報ありがとうございました。さっそくアップさせていただきますね~
HRKさん
アカハラに負けるな~。バモたちの顔を眺めてがんばって!!
nannan at 2008年5月18日 11:58 | 返信
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